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くらしかるあわー
物好きの物好きによる物好きの為の毒電波発信のべる。
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2024/05/03 (Fri) 01:19
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2010/04/06 (Tue) 20:54
 

業火の勢いは止むことを忘れてしまっている。
生きとし生ける者を全て焼き尽くすまでは、きっとこの火は消えない。
生命の灯火を覆い尽くすほどに燃え上がり、火の粉が中を舞う。
ありとあらゆる建物は見るも無惨に変貌を遂げ、崩れ、瓦礫の山としての景色に移っていった。
轟音はセカイの音。
それが倒壊した建物の音なのか、人々の恐怖に震える悲鳴と絶叫の声なのか最早判断するのは困難な程だった。
赤と黒の道を歩けば、むせ返るようなこげた悪臭が一面から漂う。
助けてくれ、助けてくれ。
瓦礫の下に埋もれた、全身の皮膚が爛れた醜悪の顔の男が懇願してきた。
汚いものを見るような目で見てやると、男は短く悲鳴をあげながら、死んでいった。
死にゆく者に天使は微笑まない。
そこに待つのは更なる地獄なのだから。
いつか迎えられるその日まで待ちなさい。
私は再び歩を進めた。
どこに行っても変わらないかもしれないけれど、ここよりもまともなところはきっとあるだろう。
倒壊寸前のビルの中で女が化物たちに犯されていた。
痛い、痛い。
女の泣き叫ぶ声が耳の奥でざらつく。
白目を向き、涙を流しながら、無様に涎を垂れ流し、舌は犬のように垂れていた。
その姿は同じ人間とは思えない。
まるで動物みたいだ。
どうしようもない、どうすることもできない。
だから私は、同じ女として哀れみの目で見やってやった。
化物たちは女が死んだことを確認すると、次の標的であるかのように私のところに近づいてきた。
何か言っているが、私は化物じゃないから化物の言葉なんて分からない。
化物たちはジリジリと詰め寄ってきて、私に襲い掛かる。
手にした2丁の銃から何度も何度も薬莢が飛ぶ。
反動を利用し、肩が外れないように細心の注意だけは払った。
こんな至近距離だ、多少のバラつきがあってもほとんどの弾が命中し、化物たちの身体の至るところに風穴が開く。
化物たちの血が顔や服にこびりついた。
気持ち悪い。
気持ち悪い気持ち悪い。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。
あまりにも気持ち悪いから、私は思い切り赤と黒の道に吐瀉した。
人肉の焦げた臭いと嘔吐物の臭いが合わさって、また吐いた。
もう吐くものもないのに、それでも私の口からは胃液が止まらなく出てきた。
歩こう。
ここにいれば、また化物たちが襲ってくる。
全弾撃ち尽くした弾装を、拾っておいた別な弾装に変え、吐き気を我慢しながら道なき道を歩いた。
お父様、お父様、どこにいるの。

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倉子かるです。
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