季節が変わるときはきっと、真っ白に燃え尽きるんだと思う。
火が点いて、燃えて、燃えて、灰になって、風に飛ばされて。
そうして新しい季節を迎えるんだと思う。
ボクは柄にもないことを考えながら、3月の群青色に染まった空を見上げた。
雲は発火剤。
青空は火。
じゃあ、誰が火を点けるんだろう。
それは、神さまの勝手気ままなご都合気分。
なーんだ、季節って猫みたい。
ゆらゆら揺らいでたブランコからジャンプして、スカートについた埃をぱっぱと手で払ってボクは走った。
ばしゃばしゃと跳ねる解けかけの雪はまだ冷たい。
春の訪れはまだ先になりそうだ。
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